安全に車に乗り続けるためには、適切なタイミングでタイヤ交換をする必要があります。 とはいえ、
「どのタイミングでタイヤ交換をすればいいの?」
という疑問を抱えている方もたくさんいるでしょう。 そこでこの記事では、タイヤ交換の目安時期や判断基準、チェックポイントについて詳しく解説していきます。
タイヤ交換は「時期」によって判断するものなの?
車あるいはタイヤにあまり詳しくない方の中には、
「そもそもタイヤ交換はどの時期にやればいいの?」
という疑問を抱えている方もいるでしょう。 基本的に、タイヤ交換は夏と冬に行うものですが、劣化状況などによっては時期に関係なく行う必要が出てくるため、一概に「この時期にやっておけば問題ない」と断言することはできません。 時期だけを判断基準にしてしまうと、タイヤがバーストしたり、乗り心地が著しく低下したり、燃費が低下したりする可能性が高くなりますので注意しましょう。
スタッドレスタイヤ、ノーマルタイヤに履き替える時期の目安は?
スタッドレスタイヤへの履き替えは、平年の初雪より1か月前が目安時期です。
雪が降ってからタイヤ交換するのでは遅いため、できるだけ余裕をもって交換しておきましょう。
また、地域によっても初雪のタイミングや降雪量が変わります。 北海道や東北、北陸など降雪地帯にお住まいの方は、9月後半から10月前半を目安に交換することをおすすめします。 ノーマルタイヤへの履き替えは、降雪が少ない地域の場合は3月中旬から4月中旬、降雪の多い地域の場合は4月後半から5月上旬ごろが目安です。ただ、上記はあくまでも目安に過ぎませんので、降雪予想などをしっかりと確認しながら交換タイミングを見極めていきましょう。
時期や季節以外でタイヤ交換タイミングを見計らう方法
では次に、時期や季節以外でタイヤ交換タイミングを見計らう方法について詳しく解説していきます。
これから紹介するポイントを把握しておかないと、バーストやパンク、燃費の低下などに繋がりやすくなりますので注意しましょう。
走行距離
一般的なタイヤのゴムは、走行距離約5,000kmにつき1mm摩耗すると言われています。 タイヤのメーカーによっても異なりますが、新品のタイヤの溝は大体8mmほどです。 このようなことから、約32,000km走ると、タイヤの溝が1.6mmになります。 知らない方も多いと思いますが、タイヤの溝が1.6mm未満になると、道路交通法違反として罰せられます。 つまり、遅くとも32,000km走行したタイミングで、新しいタイヤに交換する必要があるということです。
こう聞いて、
「32,000km走っていない場合は大丈夫なんだな」
と考える方もいると思いますが、道路状況や運転の仕方などによってもタイヤの劣化度合いは変わりますので、滑りやすさを感じた場合はすぐに交換しましょう。
使用年数
基本的なことですが、タイヤは消耗品ですので、使えば使うほど寿命が近づいてきます。 ほとんどのタイヤメーカーは、消費期限を明記していませんが、大体使用開始から4年、あるいは5年ほどで寿命を迎えることが多いです。 溝がまだ十分にある場合でも、ゴムが劣化している場合は重大な事故に繋がりやすくなりますので、早めの交換をおすすめします。
見た目
タイヤ交換のタイミングは、タイヤの見た目から判断することもできます。 最もわかりやすいのは、
・傷
・亀裂
・ひび割れ
・偏摩耗
などです。
このような症状が出ている場合、走行中に何らかの不具合が起こる可能性が高くなりますので、早めにタイヤ交換をすることをおすすめします。
「まだ大丈夫だろう」
が命取りになることもありますので注意してください。
走っているときの感覚
こちらは少し難易度が高いのですが、走っているときの感覚からタイヤ交換の目安タイミングを推測することもできます。 例えば、
・走行音
・乗り心地
・ブレーキの利き
・滑りやすさ
など、普段とは違う違和感があった場合、タイヤに異変が生じている可能性がありますので、早めに交換することをおすすめします。
タイヤ交換は自分でも行える?具体的な手順は?
タイヤ交換は、お店でも対応してもらえますが、やろうと思えば自分でもできます。
以下、自分でタイヤ交換をする場合の手順について詳しく見ていきましょう。
ステップ1:平らな場所に停車する
タイヤ交換では、車をジャッキアップしますので、必ず平らな場所に停車させましょう。
傾いている地面、あるいは不安定な地面などに停車すると、ジャッキアップした車がバランスを崩す可能性が高くなりますので注意してください。 また、タイヤ交換をするときは、車の真横で作業をしますので、十分なスペースを確保できる場所に停車させることをおすすめします。
ステップ2:エンジンを切ってから輪留めをかける
車を平らな場所に停車させたら、エンジンを止めて輪留めをかけましょう。 輪留めは、対角線上にあるタイヤに対して行うようにしてください。 AT車の場合は、パーキングに入れてサイドブレーキをかけます。 MT車の場合は、1速に入れてサイドブレーキをかけましょう。 この作業を怠ると、車が動いて非常に危険な状態になりますので注意してください。
ステップ3:ホイールキャップを外してからナットを緩める
車にホイールキャップがついている場合は、レンチの後ろ部分や、ヘラ状のもので取り外します。 その後、クロスレンチを使ってナットを少し緩めましょう。 ナットはジャッキアップした後に完全に外しますので、この段階では緩める程度にとどめて置いてください。 イメージとしては、指で回すだけで簡単にくるくる回る程度まで緩めればOKです。
ステップ4:ジャッキを使って持ち上げる
ナットを緩めたら、いよいよジャッキアップです。 車の下部にジャッキポイントがありますので、そこにジャッキを引っかけて車体を持ち上げます。 慣れてくると、触っただけでどこがジャッキポイントかわかりますが、最初のうちは取扱説明書などで確認するようにしましょう。 ジャッキアップは、タイヤが少し浮いている程度になれば十分です。 上げすぎると事故やけがのリスクが高くなりますので注意してください。
ステップ5:緩めておいたナットをすべて外す
ジャッキアップが終わったら、緩めておいたナットを全て外します。
ナットを外すことに気を取られてしまうと、ナットがどこかに行ってしまう可能性が高くなりますので、わかりやすい場所に保管しておいてください。
ステップ6:タイヤを交換する
ナットが外れたら、今履いているタイヤを外して、新しいタイヤを装着します。 この時のポイントは、外したタイヤを車の腹下に入れておくことです。 そうすれば、万が一ジャッキが外れてしまったとしても、タイヤが緩衝材になってくれますので、事故を未然に防げます。
ステップ7:ナットを締めて、ジャッキで車を下げる
タイヤを取り付けたら、ナットを締めていきましょう。 ナットを締めるときは、1つのナットを一気に締め上げるのではなく、全てのナットを均等に締めていくようにしましょう。 最初はレンチを使わず、素手でくるくる回しながら締めていき、素手で回らなくなったらレンチを使うのがおすすめです。 締める順番については、対角の関係にあるものから順に締めていくようにしましょう。
ステップ8:増し締めをして修了
ナットを締めたら、ジャッキを使って車体をもとの場所まで戻していきましょう。 一気にやると、車が勢いよく下に落ちてしまう可能性がありますので、ゆっくり行うのがポイントです。 また、ジャッキで車体を下げることに気を取られてしまって、足を挟んでしまうケースも意外とよくありますので、タイヤと足の位置関係に注意してください。 その後、レンチを使ってナットを適性の硬さまで増し締めして、ホイールを取り付けて完了です。
タイヤ交換を自分で行うデメリット
タイヤ交換は、正しい知識を身につけて、上記手順をしっかり守って行えば、自分でもやれないことはありません。 ただ、自分でタイヤ交換をすることにはいくつかのデメリットもありますので、事前に頭に入れておきましょう。
時間と手間がかかる
手順紹介の段階でお気づきになられた方もいると思いますが、タイヤ交換は意外に手間と時間がかかります。 慣れている方であれば短時間で済ませられるかもしれませんが、初めて行う方や、あまり慣れていない方の場合、タイヤ交換だけで数時間以上取られてしまうことも多いです。
短時間でやろうとして、作業が雑になってしまうと、事故のリスクが高まりますので注意が必要です。
「タイヤ交換をどうしても自分でやりたい」
という方は、まとまった時間を確保したうえで行うようにしましょう。
正しい手順でやらないと事故に繋がる
タイヤ交換を安全に行うためには、正しい手順を守る必要があります。
「この手順は飛ばしてもいいでしょ」
「これはやらなくていいよね」
というような感覚で行うと、重大な事故に繋がる可能性が高くなりますので注意しましょう。
タイヤ交換の手間を省きたいならプロに依頼するのがおすすめ
手間と時間を省き、スピーディーかつ確実に愛車のタイヤを交換したいなら、自分でやるのではなく、業者あるいはお店に依頼するのがおすすめです。 プロの職人に任せることによって、不具合や事故のリスクも下げられますし、当然自分自身の負担や手間も減ります。 その分自分でやるよりはコストがかかってしまいますが、間違った方法でタイヤ交換をした場合のリスクや危険性を排除できるという意味では、お得な費用と言えるでしょう。
まとめ
タイヤ交換のタイミングは、時期だけでなく、タイヤの状況も見ながら判断していかなければなりません。
「冬になったから」
「雪が止んだから」
というように、時期だけで判断していると事故に繋がったり、乗り心地や燃費の低下に繋がったりする可能性が高くなりますので注意しましょう。 どうしてもタイヤ交換のタイミングがわからない方は、タイヤ交換に対応しているお店に足を運び、店員に直接聞いてみることをおすすめします。
こちらの記事は「https://tire-toritsuke.com 株式会社タイヤ取付どっとこむの許可を得て画像、記事を転載しております。」
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